
1960年代から1980年代にかけての日本は、経済成長と大衆文化の爆発によって、女性ファッションがめまぐるしく変化した時代でした。
ミニスカート、パンタロン、ツッパリ、竹の子族、聖子ちゃんカット、ワンレン、ソバージュ、ボディコン、肩パッド── 街を歩く女性たちの姿は、時代の空気そのもの。
テレビ、雑誌、音楽、若者文化が流行を作り、日本の女性ファッションは世界でも注目されるほどの勢いを持ちました。
今回は、1960〜1989の女性ファッションを、生活・価値観・メディア・髪型・社会現象を交えて見ていきます。
その時代の女性の生活・価値観
● 1960年代(高度成長期)
- 若者文化が台頭
- テレビが家庭に普及
- 洋装が完全に定着
- ミニスカートの衝撃
- カラフルでポップな時代へ
● 1970年代(安定成長期)
- 個性の時代
- 不良文化(ツッパリ)が登場
- 竹の子族などのストリート文化
- パンタロン・ベルボトムが流行
- 髪を茶色に染める若者が増える
● 1980年代(バブル期)
- 消費文化が爆発
- DCブランドブーム
- アイドル文化の黄金期
- 肩パッド・ボディコン・ワンレン
- 「派手で華やか」が正義の時代
洋装の導入と規制(自由化の時代)
戦後の洋装化が完全に定着し、1960年代以降は「自由に着る時代」になります。
- ミニスカート
- パンタロン
- ベルボトム
- カラフルなワンピース
- スタジャン
- サーファールック
- DCブランドの台頭
規制よりも「個性」「流行」「若者文化」が優先され、 ファッションは社会の象徴となりました。
女学生文化(高校生のファッション)
● 1960年代
- セーラー服・ブレザーが定番
- 髪型はストレート・内巻き
- 校則はまだ厳しい
● 1970年代
- 茶髪が登場(校則違反だが増える)
- パーマ・カーリーヘアの不良女子
- ロングスカートのツッパリ文化
- スカート丈で“派閥”ができる時代
● 1980年代
- 聖子ちゃんカットを真似する女子高生
- ワンレン・ソバージュの高校生も登場
- 制服の着崩し文化(ルーズソックス前夜)
- スカートがロングからミニへ
メディア(テレビ・雑誌・音楽)
● テレビ
1960年代以降、テレビは流行の中心に。
- アイドル
- 歌番組
- CM
- ドラマ
女性はテレビの中のスターを真似し、流行が全国に一瞬で広まりました。
● 雑誌
- 『non-no』
- 『JJ』
- 『CanCam』
- 『mc Sister』
- 『POPEYE』
- 『an・an』
雑誌はファッションの教科書であり、「読者モデル文化」が始まります。
社会現象になったファッション・髪型
● ミニスカート(1960年代)
ツイッギーの影響で日本でも大流行。
「脚を出すこと」が女性の新しい美意識に。
● パンタロン・ベルボトム(1970年代)
男女ともに流行し、若者文化の象徴に。
● 茶髪の女子(1970年代)
校則違反だが、若者の反抗文化として広まります。
● ツッパリ(不良文化)
女子はロングスカート、カーリーヘア。
男子は短ラン・長ラン、リーゼント。
映画・漫画の影響で全国に広まりました。
● 竹の子族(1980年前後)
原宿で踊る若者たち。
一般的に着られていたわけではないものの、カラフルで奇抜な衣装は時代の象徴です。
● 聖子ちゃんカット(1980年代前半)
松田聖子の髪型が全国の女性に大流行。
ふんわり丸いシルエットが「可愛い」の象徴に。
当時のアイドルですら、聖子ちゃんカットの人が多かった時代。
● ワンレン・ソバージュ(1980年代後半)
都会的で大人っぽい髪型として人気。
バブル期の女性の象徴。
● ボディコン・肩パッド(バブル期)
ディスコブームやジュリアナ東京のイメージそのもの。
「強く、美しく、華やかに」がテーマ。
※ジュリアナ東京は1991年からなので、正確にいえばバブル崩壊後になる
● カラス族
黒一色のモード系ファッション。
バブルの派手さとは対照的な“反・消費文化”。
● DCブランド
COMME des GARÇONS、Y’s、BIGIなど。
若者がブランドに熱狂した時代。
主にモノトーン色が人気がありました。
● アイビールック
清潔感のあるアメリカン・トラッド。
男子中心だが女子にも広まります。
● ハマトラ
横浜発のトラッドスタイル。
お嬢様風に品よく見える、女子大生の定番ファッションに。
● セーラーズ
1980年代に人気を集めたカラフルなファッションブランド「セーラーズ」は、ポップで元気なデザインが特徴で、若い女性たちの“渋谷系ファッション”を代表する存在。
そのセーラーズを一気に全国区にしたのが、1985年にデビューして社会現象にもなった、おニャン子クラブ 。
1980年代の“かわいいカルチャー”を象徴する存在となりました。
● サーファーファッション
日焼けした肌に、ショートパンツやミニスカート、ベルボトム。
「陸サーファー」などという言葉が生まれ、サーファーファッション向けの専門誌も発売され、海のカルチャーが街に広まります。
サーファーカットと呼ばれる髪型も流行り、「聖子ちゃんカットか?サーファーカットか?」と二択の時代も。
地域差(都市と地方)
● 都市(東京・横浜・大阪など)
- 流行が瞬時に広まる
- 原宿・渋谷が若者文化の中心
- DCブランド・竹の子族・ボディコンが強い
● 地方
- 流行が少し遅れて到達
- ツッパリ文化が強い地域も多い
- ワンレン・ソバージュは全国的に普及
再ブーム(令和の昭和レトロ)
- ミニスカート
- ベルボトム
- セーラーズ風のカラフルファッション
- 聖子ちゃんカット風のレトロヘア
- DCブランドの再評価
- サーファー系の復活
- バブルファッションの復活
昭和のファッションは、令和の若者にも「新しいレトロ」として愛されています。
まとめ
1960〜1989は、日本の女性ファッションが最も派手にきらびやかに輝いた時代でした。
社会現象を引き起こし、今でも語り継がれるほど特徴的なファッションの数々── そのすべてが「時代を生きる女性」の象徴であり、 昭和のファッションは今も私たちの美意識に影響を与えています。
次回予告
次回は、平成のファッション文化へ。
ルーズソックス、コギャル、アムラー、ガングロ── 平成の女性ファッションを見ていきます。