
お米の価格も、平均月収も、1日で食べるお米の量も、時代によって違います。
●「米10kgの値段」が「月収に占める割合」
●4人家族が一日に消費する米の量
↑で書いたデータを元に、
「家族4人(大人2人・子供2人)の1か月にかかる米代」は、月収の何パーセントに相当するかをまとめてみました。
・江戸期は統計が存在せず計算が難しいので、詳しい数値は省きます
・価格はお米10kgのものです。
・消費量は大人2人、子供2人の、4人家族のものです。
・「1カ月」は30日として計算しています。
江戸時代
現代の物価指数で換算した“理論値”で計算すると、江戸時代の米10kg=0.03円相当という数字が出ますが、それは実際の価格ではありません。
江戸時代の貨幣は円とは別体系で、米価は1石=1両が一般的。
10kgは約260文で、庶民が1〜2日働いてやっと買える重みがありました。
明治・大正・昭和(戦前)
※米価は資料に基づく実際のものです。
明治時代(参考年:明治元年=1868年)
・米価格 0.55円
・平均月収 25円
・1日の消費量 800~1,100g(平均値950g)
・1か月に食べる米の量 28.5g
・1か月の米代 1.56円
・月収に対する米代の比率 6.24%
大正時代(参考年:大正元年=1912年)
・米価格 1.78円
・平均月収 40円
・1日の消費量 750~1,000g(平均値875g)
・1か月に食べる米の量 26.25kg
・1か月の米代 4.66円
・月収に対する米代の比率 11.65%
昭和戦前(参考年:昭和20年=1945年)
戦時中は配給があったり世の中が不安定な状態ですので、数値とリアルは剥離しているかもしれません。
・米価格 6円(資料値)
・平均月収 150円
・1日の消費量
平時:700〜900g(平均値800g)
戦時:450〜600g(平均値525g)
・1か月に食べる米の量 26.25kg
平時:24kg
戦時:15.75kg
・1か月の米代
平時:14.4円
戦時:9.42円
・月収に対する米代の比率
平時:9.6%
戦時:6.28%
昭和(戦後)〜高度成長期
※米価は総務省・農林水産省の統計に基づきます。
高度成長期は、「お米をよく食べていた時代」です。
消費量は多いけれどまだ価格が安かったため、家計の中での負担は小さめ(量のわりに)でした。
1973年のオイルショック以降、物価が急上昇して時代が激変します。
昭和戦後直後(参考年:1950年)
・米価格 445円
・平均月収 10,000円
・1日の消費量 800~1,000g(平均値900g)
・1か月に食べる米の量 27kg
・1か月の米代 1,200円
・月収に対する米代の比率 12%
高度成長期の始まり(参考年:1965年)
・米価格 1,360円
・平均月収 2,5000円
・1日の消費量 800~1,000g(平均値900g)
・1か月に食べる米の量 27kg
・1か月の米代 3,672円
・月収に対する米代の比率 14.68%
高度成長期終焉前夜(参考年:1972年)
・米価格 2,270円
・平均月収 90,000円(家族持ちの世帯主)
・1日の消費量 850~1,000g(平均値925g)
・1か月に食べる米の量 27.7kg
・1か月の米代 5,153円
・月収に対する米代の比率 5.72%
バブル期~平成
バブル期は収入が大きく伸びた上に外食産業が急成長し、家庭の米消費量も家計への米価の負担も減りました。
そしてパン・パスタなどの洋食が一般化し、米離れが本格化。
1972年~1989年の17年間で、4人家族の1日消費量が300gも減少しました。
バブル期の始まり(参考年:1985年)
・米価格 4,797円
・平均月収 300,000円
・1日の消費量 650~850g(平均値750g)
・1か月に食べる米の量 22.5kg
・1か月の米代 10,793円
・月収に対する米代の比率 3.6%
バブル絶頂期(参考年:1989年)
・米価格 4,200円
・平均月収 370,000円(ボーナスが非常に高く、年収を12で割るともっと高くなる)
・1日の消費量 620~760g(平均値690g)
・1か月に食べる米の量 20.7kg
・1か月の米代 8,694円
・月収に対する米代の比率 2.34%
平成(参考年:2000年)
・米価格 4,803円
・平均月収 350,000円
・1日の消費量 550~750g(平均値650g)
・1か月に食べる米の量 21.6kg
・1か月の米代 10,374円
・月収に対する米代の比率 2.96%
令和~米高騰騒動
2024年は農林水産省の統計で「うるち米価格が前年同月比30%上昇」などの報告あり。
2025年は実際に 5kg=4000円以上 の価格帯を中心として、当たり前のように店頭に並びました。
10kg換算すると 8000円。
令和(参考年:2023年)
・米価格 3,500円(資料値)
・平均月収 350,000円
・1日の消費量 460~640g(平均値550g)
・1か月に食べる米の量 16.5kg
・1か月の米代 5,775円
・月収に対する米代の比率 1.65%
米高騰の始まり(2024年)
・米価格 5,000円(資料値)
・平均月収 360,000円
・1日の消費量 460~640g(平均値550g)
・1か月に食べる米の量 16.5kg
・1か月の米代 8,250円
・月入に対する米代の比率 2.29%
米高騰のピーク(2025年)
・米価格 8,000円(資料値)
・平均月収 370,000円
・1日の消費量 460~640g(平均値550g)
・1か月に食べる米の量 16.5kg
・1か月の米代 13,200円
・月収に対する米代の比率 3.56%
グラフで見る、考察

グラフを見ると、米価が上昇しているにもかかわらず、月収に対する米代の負担は高度成長期以降急激に軽くなっています。
これは、
・賃金が急上昇したこと
・政府が米価を管理していたこと(食糧管理制度)
・食生活が多様化して米の消費量が減ったこと
が、重なったためです。
特に高度成長期は、収入が伸びるのに米価は安定していたため、家計にとって米代は「ほぼ気にならない支出」へと変化しました。
戦後の日本では、米価は市場で決まるのではなく、政府が「食糧管理制度」によって厳しく管理していました。
この制度のおかげで米価は急騰せず、高度成長期には賃金が伸びるのに米価は安定し、家計に占める米代の負担は急速に小さくなりました。
戦後の日本では、米価は「食糧管理制度」によって政府が厳しく管理し、農家保護のために高めの価格が維持されていました。
その結果、米が作られすぎて供給過剰となり、価格を下げられない政府は「減反政策」で生産量を調整しました。
・「戦時中」のデータには配給も混ざるため、一般的な割合は出しにくい
・「高度成長期」からは食糧管理制度により一気に負担が減る
・バブル期頃から米の消費量が減る
・バブル期頃から賃金が上がった割に消費量が減るので、負担率が減る
・令和からさらに米離れが加速し、負担率が減る
・2025年はさすがに負担率が増える
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